住宅ローン④ 〜ペアローンと連帯債務〜
この記事のまとめ
- 住宅ローンの借り方には単独ローンの他に3種類ある
- 連帯保証型はメリットが少なくオススメしない
- ペアローン・連帯債務型については、それぞれにメリットとデメリットがあり、皆さんの家庭環境や価値観によって最適な形が異なる
まさぴょんです!
住宅ローンシリーズ4回目は住宅ローンの借り方について書いていきたいと思います。
住宅ローンといえば、収入のある世帯主のみが単独で借りる形が一般的でしたが、近年は共働き家庭が増えており、住宅ローンを夫婦で借りるケースが多いです。
住宅ローンを夫婦で借りるパターンには次の3種類があります。
- ペアローン
- 連帯債務型
- 連帯保証型
まさぴょんの意見がいきなり反映されて恐縮ですが、連帯保証型はメリットが少なくオススメできないので、ペアローンと連帯債務型について、単独ローンと比較しながらメリット・デメリットをそれぞれ見ていきます。
1. ペアローン
ペアローンとは、1つの物件に対して収入のある夫婦それぞれが住宅ローンの契約者となり、お互いに相手ローンの連帯保証人となることによって2つの住宅ローンを利用する借入方法です。
ペアローンでは夫婦2人分の収入を原資にローンを組むため、単独ローンに比べて借入可能額が大きいですし、住宅ローン減税も2人分受けるうえ、2人で別の金利タイプを選択できる(例えば、夫が変動金利、妻が固定金利)のでリスクを分散することができます。
ただし、ローン審査を通過するためには2人とも安定した収入がある必要があります。さらにローンを組むのにかかる諸費用が多くなるうえ、2人とも*団信(団体信用生命保険)への加入が必要で、その適用額はそれぞれの借入額の範囲内です。団信への加入には夫婦ともに健康状態が良好である必要があり、どちらかに万一のことがあっても残された方のローンは残ってしまいます。見方を変えれば、どちらに万一のことがあってもそのローンの返済については確実に免除されます。
*団信とは
団体信用生命保険のこと。住宅ローン債務者(借入人)が死亡したor高度障害になった場合、その債務が免除される保険。
ここで注意したいのは住宅の所有権と持分比率です。ペアローンなので所有権は共有名義になり、住宅への出資割合と持分比率が異なると贈与税が課税される場合があることです。
例えば、
・住宅ローンの借入額 夫:3500万円 妻:500万円
・頭金 夫:100万円 妻:700万円
の場合、出資額合計は夫が3600万円、妻が1200万円となり、物件の持分割合も夫:妻=3:1にしておく必要があります。
2. 連帯債務型
連帯債務型とは、1つの物件に対して収入のある夫婦が共同で1つの住宅ローンの契約者となり、連帯債務者は主債務者(住宅ローン契約者)の債務全額を負う借入方法です。要するに、1つの住宅ローンを2人で返済するということです。
連帯債務型では夫婦2人分の収入を原資に1つのローンを組むため、単独ローンに比べて借入可能額が大きいですし、ペアローンよりもローンを組むのにかかる諸費用が抑えられる。
また、1つのローンにもかかわらず住宅ローン減税は2人分受けることができます。(ここが単独ローンで収入合算をする場合との違いです。この効果は大きいので、単独ローンで収入合算するなら連帯債務型がオススメです。)
ただし、連帯債務者にも一定の収入があることが必要です。ペアローンほどではありませんが、連帯債務者の返済能力も審査に加味されます。
団信に加入するのは基本的に主債務者だけなので主債務者の健康状態が良好であればOKです。つまり、主債務者に万一のことがあったらローン全額が免除されますが、連帯債務者に万一のことがあってもローンは全額残ります。最近では、どちらか一方に万一のことがあった場合にローン全額が免除になる夫婦連生団信が登場しています。ただし、一般的な団信に比べて保険料が高い(大抵の場合は借入金利が上乗せされる)です。
住宅の出資割合と持分比率についてはペアローンと同じです。
このように連帯債務型には様々な特徴があるのですが、そもそも取り扱っている金融機関が少ないので注意しましょう!
以上の特徴をまとめると以下のようになります。
今回もオススメを書きたいところですが、皆さんの家庭環境や価値観によって大きく変わります。シングルインカムの場合は単独ローン一択ですし、ダブルインカムでも収入事情やライフプランなどによって最適なローンが変わります。
上の表を参考に皆さんも考えてみてくださいね!